走り回る音ではなく、何かを削るような「カリカリ」「ガリガリ」。
この音がしているなら、正体はかなり絞れます。ネズミです。
理由は歯にあります。ネズミの前歯は一生伸び続けるので、削り続けないと口が閉じなくなります。生きるためにかじっているので、追い払っても場所を変えて続けます。
歯は週にどれくらい伸びるか
ネズミの前歯(切歯)は伸び続けます。伸びる速さは年に10センチ以上とされることもあり、削らなければ口が閉じられなくなって餌を食べられません。
つまり、かじるのは生きるための行為です。追い払っても、場所を変えて続けます。
そして歯の硬さも問題です。ネズミの切歯はモース硬度で5前後とされ、鉛や銅、アルミ、木材、コンクリートの脆い部分なら削れます。防鼠に金網やパンチングメタルを使うのは、このためです。
かじられているのが配線かどうかは、見てもらえば分かります。ここは後回しにできない部分です。

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何をかじっているか
音の対象が問題です。
木材や断熱材なら、まだ被害は限定的です。困るのは配線です。
電線の被覆をかじられると、そこから漏電します。天井裏はほこりが溜まっているので、火花が飛べば燃えます。実際に、原因不明とされた火災の中にはネズミによるものが含まれていると考えられています。
夜だけブレーカーが落ちる、照明がちらつく、コンセントが効かなくなった。こういう症状と天井裏のカリカリ音が重なっているなら、後回しにしないでください。詳しくはネズミが電気配線をかじるに書いています。
水道管やガス管の周りの断熱材をかじることもあります。
ハクビシンやイタチでは、この音はしません
大型の獣は木材をかじりません。彼らが出すのは足音と、爪が板を引っかく音です。
見分け方は音の連続性です。
- かじる音は同じ場所で続く。数分から十数分、位置が変わらない
- 足音は移動する。端から端へ動いていく
同じ一点でずっと音がしているなら、かじっています。
ただし例外があって、ハクビシンが天井裏の断熱材を掘り返しているときは「ガサガサ」と長く続きます。これはかじる音とは質が違い、もっと乾いた、紙をかき混ぜるような音です。
音がする場所で階層が分かる
もうひとつ手がかりがあります。
天井の上ではなく、壁の中から聞こえる場合。これはネズミの可能性がさらに高くなります。ハクビシンやアライグマは体が大きすぎて壁の内部に入れません。
壁を垂直に移動できるのはネズミとコウモリだけです。詳しくは壁の中から音がするにまとめました。
殺鼠剤を置く前に
ネズミだと分かると、まず毒餌を考えると思います。
ただ、順番があります。
毒餌が効いた場合、ネズミは天井裏や壁の中で死にます。取り出せない場所で腐り、数週間にわたって臭います。夏なら蛆が湧きます。壁を開けないと回収できないこともあります。
そして、1匹減っても侵入口が開いたままなら次が入ります。ネズミは繁殖が速く、条件がそろえば年に何回も産みます。
順番としては、侵入口を塞ぐほうが先です。ただし、塞ぐ前に中にいる個体を出しておかないと、閉じ込めることになります。この見極めが難しいところで、自分でやって失敗する人が多いのはここです。
かじられているものを見分ける
音がしている場所の下に、何か落ちていないか見てください。
| 落ちているもの | かじられているもの |
|---|---|
| 白っぽい木くず、細かい繊維 | 木材、下地 |
| 綿のような繊維、グラスウールの粒 | 断熱材 |
| 黒や灰色の細かい破片 | 電線の被覆 |
| 銀色の細片 | 配管の保温材、ダクト |
| 紙片、ビニール片 | 巣材にするために運んでいる |
黒い破片が落ちているなら、配線です。ここは急いでください。
そして、天井の照明を外すと、器具の中に落ちてくることがあります。照明カバーの中に木くずや糞が溜まっていたら、その真上が通り道です。
今日やっておくこと
音の記録だけ取っておいてください。
- 時刻
- 場所(どの部屋の上か、壁ならどの面か)
- 続いた長さ
- 移動していたか、同じ場所だったか
紙でもスマホのメモでも構いません。これがあると、業者が来たときに調査が早く終わります。
侵入口の探し方はネズミの侵入経路が分からないに書いています。自分で塞げそうかどうかは、そこで判断してください。
侵入口が何箇所あるかを知ってから、自分で塞ぐかを決めても遅くありません。

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