暗くなってJR池袋駅のホームから東口の上空を見ると、SEIBUのロゴデザインが目に飛び込んできます。電気の灯った背景の青と文字の白、の両サイドの赤、このコントラストが目に焼きつきます。このロゴ制作でもっとも難しかったところはの処理だったと思われます。なぜなのかというと、レタリングの心得のある人はすぐわかるでしょうが、文字が拡大されればされるほどつぎのようになります。

 

の両サイドの空白が目立つようになり、間延びして、文字の繋がりを失ってしまうからです。これをどのように処理するかが最大の問題になったと思います。一般的な方法はIが持つ空白をなくすということに思いを馳せると思います。それだと常に文字のサイズによっての微調整が発生してしまう。これだと実用性に向かない。

 

 そこで解決策として欠点を目立たせる方法をとっています。このロゴは五文字からなり、がその真ん中にあり、シンメトリ・中心軸の位置にあることにも着目したと考えられます。そこでいま見るような処置をとったわけです。ここがこのロゴを制作したデザイナーの真骨頂です。
ところで、なぜこの話を出したかというと、活版印刷の活字の世界でこのような場合どんな処理をしているかを知ってもらいたかったからです。以前は職人技としてこの技術が要求されたと思います。
ご存知のように活字は正直方体の決められた台座の上に作られているわけです。だから日本語でも上記と同じ問題が発生する場合があると推測されます。

 

 また欧文でもそのことは発生します。改行するのに単語をどこで切ってもいいわけではありません。切る箇所はきちんと決められています。欧文の場合安いテキストでは平気で文字間隔を空けて処理してあります。これが売り物かと思えるぐらいです。そのテキストをスキャンして載せておきます。